オタクが考えるSuper Junior「雨のように行かないで」MVの個人解釈
どうもこんにちは。今日も元気に新規やっているやっこです。
最近一周まわってまた歌って踊る姿ばかりエンリピしてるんですけど、やっぱり彼らの曲ってすごくいいですね。捨て曲が全然ない。
中でも初めて聴いた時からずーーっと好きなのがこちら。
SUPER JUNIOR 슈퍼주니어 '비처럼 가지마요 (One More Chance)' MV
もう100万回言われてることは百も承知で言いますけど、この曲ほんとすごくいいですよね。まずもって「雨のように行かないで」って題名からすごくエモい。そして全然歌詞分かんないのに胸がギュってなる、そんな曲の素晴らしさをまず感じたんですけど、これメンバーのドンヘさん作詞作曲というから更に驚き。なにそれなるほどだから神様は彼に才能を与え過ぎたと思ってねじ一本とっていったのか。って思うほどすごい。いやきっと色んな努力とそして自身の経験の元につくられたからこれほどの名曲が生まれたんだと思うんですけど(日本語訳も読んだんですけどまたすごい)、ドンヘくんがすごいこともペンの皆様が既に100万回言われてきていると思います故、なにがすごいってMVもまたすごい、という話を私はしたいと思います。
そもそも初めてMV見たときの衝撃たるや、ですよ。
まさか村を焼く推しが見れるとは。
一時期どの界隈でも「村を焼かれる推し」「村を焼く推し」論争みたいなのあったと思うんですけど、モノホン見せてくれる推し初めてでヲタクびっくりした。そして歓喜した。いや切ないんです、つらいんです、だけど、んんんあああ泣かないでえええってなりながらも心の中ではガッツポーズをしてました。だってヲタク、推しが(バーチャルの中で)苦しんでるの見るの正直好きじゃないですか?(ここのミソはバーチャルです。実際に苦しんで欲しいわけじゃないです。だって悲しいもん) え、推しに何があったの?!これはどう解釈したらいいの?!ほんとに焼いたの?!それとも焼かれたの????!というかメンバーみんなこれドンヘくん以外救いがなくない?!!!!
と、なり、ここから私の「One More Chance」MVの読み解きは始まりました。
いやね、もしかしたらMVのストーリーどこかでファンの方が、もしくは公式で解説されてるのかもしれないんですけど、ド新規なので見つけられなかったし、書いている途中でMVメイキングをフォロワーさんに教えていただいて見ました!ありがとうございました!ですがまぁ、書き直すのも考え直すのも面倒なので唯我独尊個人解釈で参ります!
〇「もう一度出会えた」ドンヘと、「出会えない」メンバー
結論から言うと、このMVのストーリーはドンヘくん以外救いがありません。というかなんだろ、救いがない前提で、「誰が一番ツライか選手権」みたいなとこある、が私の結論です。
ドンちゃんが唯一報われるのはまぁ、誰もが見たら分かると思うんですよ。「彼女との別れ」の後のストーリーがメンバーそれぞれ描かれていると思うんですが、最後その彼女に追いつくことができる唯一が、ドンちゃん。もちろんその後彼女とどうなったのかはわからないし、ポジティブな方向じゃないことは歌詞的に明らかだし、もしかしたら最後のそれも「こうあったらいいな」の幻かもしれないんですけど、でも夢でもなんでも「もう一度会えた」のはドンヘ。
いやでもこれもね、「現実(歌詞のモデルとなった実体験)には叶わなかったこと」をやってるという意味ではここもある意味ツライ。
だって、
ってことはつまり自分のところもある程度自分で演出しているわけでしょう・・・?
いや本人的にもヲタクの胃痛的にも実はここが一番ツライかもしれない。
え、何それやっぱりみんなしんどいやつじゃん。(絶望)
〇読み解く上でのキーワード
はい、でもまぁ一応MVのストーリー的にはドンヘが唯一の希望だったわけで、じゃあ他のメンバーは、というのを1人1人考えていきます。
キーワードになるのは「ドア」「光」「進行方向」「最後の表情」かな、と。
まずドアですが、
この部屋が彼女と過ごした最後の場所であり、彼女との思い出や記憶の拠り所なのだとしたら、
この道の外、「EXIT」のその先は、「彼女がいない世界」を表していると思うんですね。
で、そのドアをドンヘは開けて、外の世界を行くんです。
一方他のメンバーですが、
同じく彼女と別れた世界へ出たのがイトゥク、シンドン
(ここでの「外へ出る」が「彼女との別れを受け入れる」とすると、ドアはないけどシウォンもかな)
出ようとするも、出られずもがくのがイェソン、
出ようとするも、出ることをやめるのがウニョク、
出ることをしないのがヒチョル
と、なります。
で、その「彼女がいないこと」をどう受け入れるのか、受け入れないのか、そして何を選択するのか、なんですけど、そのキーワードとなるのが「光」なのかな、と。
例えば、先ほどの、部屋から出ようとしているドンヘのドアからは、うっすら光が差し込んできています。
そしてこれ、
ドンヘは彼女と別れた後の世界で、光を見つけて、その方向へ向かっていくんです。
この光を「希望」の象徴とするならば、ドンヘは彼女との別れを受け止め、「彼女との再会」という希望をもって、その光の方へ突き進んでいったんだと思うんですね。
それ故に彼女に追いついたし、最後は彼女を真っ直ぐに見つめることができた。
そしてこの「ドア」「光」「進行方向」「最後の表情」が、他のメンバーは違ってきます。
〇ヒチョル
外へと続く廊下に、無数に置かれたテレビとビデオテープ。ビデオテープは冒頭のドンヘが再生ボタンを押したものたちと同類とすると、「彼女との思い出たち」の象徴。それが、砂嵐となるまで、擦り切れるほど流れ続けています。
そのビデオを消しながら歩いていくヒチョル。
そしてその先の出口の小窓から見える外は赤い光。
過去の思い出を消しながら、ドアの方へ足を進めるんだけど、その寸前で足を止めて座り込んでしまうのは、まだ彼女との別れを受け止められていないから。赤い光は、そんなヒチョルの危険信号を表しているのかもしれません。
彼女との思い出にすがり、その場から動けずにいるヒチョル。
悲しい現実から目を背けるしか、できない。このままじゃダメだとわかっているのに。それでも許されるなら、今だけはまだ彼女と共に、みたいな。
歌詞の通り「壊れてしまった時計」のように時が止まってしまったヒチョルの切なさが美しい。
〇イトゥク
ドアを開けると、そこは、火の粉が降り注ぎ、煙が充満し、薄暗く先が見えない道が続いています。
そして、すぐに振り返り、「彼女がいないこと」を実感し、絶望にくれるイトゥク。
本人曰く、
以前彼女と来た道を訪れた、という設定らしく、歌詞の通り「一緒に歩いていた道に一人でいても嘘みたいに全てのことが信じられない」状態なんですね。
そしてこのカセットテープなんですけど、
この絵と交互に映し出されるのがウニョクとイトゥク氏なので、燃やしたのは2人共、なのだと考えます。
カセットテープを「彼女との思い出」の象徴だとすると、イトゥクは自ら「過去を燃やした」んですね。で、未来を生きようとするも、彼女のいない世界もまた、イトゥクには受け入れがたく、生きていられない世界だった。
燃えさかる世界の中でこちらをじっと見つめるイトゥク。「こちら側」は「過去の彼女」を表していると考えると、もう過去を捨てた身なので過去の思い出にすがることもできない、でもその先に進むこともできない、だからただじっと、過去を見つめながら、その場に立ちすくむしかない。みたいな、そんなストーリーかな、と。
その目に宿るのが怒りなのか哀しみなのかそれとも両方なのか分からないけど、どこか狂気を感じるその姿。彼はずっとここで彼女を待ち続けるんでしょうね。
〇シンドン
シンドンの行く道も、イトゥクと同じく先の見えない、いたるところで炎が上がるそんな道。そんな道を、シンドンは行ったり来たり、さ迷い歩いています。
でもね、注目していただきたいのが、横から木漏れ日のように差し込む光なんですよ。シンドンの未来には希望があるんですよ。まだ今の彼女に手が届くかもしれないんですよ。
なのに、
いやなんで手を伸ばさんねん!!!
なんで目を背けるねん!!!!!!
光を目にするも、顔を逸らし、その場を離れるシンドン・・・
自ら炎の中に突っ込んでいったり、その場に立ちすくしたりと、シンドンはもしかしたら「今を受け入れよう」としているのかもしれません。過去の思い出も、今のこの痛みも、目を逸らすのではなく全て受け入れて生きていこうとしているのかもしれない。そして光に対しては「自分には手を伸ばす資格がない」と思っているのかもしれない。
いやシンドンめっちゃいい男やん・・・そんなことないよシンドン・・・幸せになっていいんだよ・・・。
〇シウォン
シウォンの道は、今も真っ直ぐ彼女にだけ繋がっていて、シウォンの世界には彼女だけ。
でもシウォンが向かっているのは画面のこちら側。つまり、シウォンが追ってるのは過去の彼女の面影なのかな、と。
そしてシウォンを照らすカメラの光達が表す現実たち。そしてその光たちはお構い無しに、シウォンが見つめるのは彼女だけ。
でも、追いつこうと思えば追いつくのに、手を伸ばせば届くのに、シウォンは距離を縮めないんですよね。
きっとシウォンも分かってるんですよね。このままではいけないことも、どうしようもできないことも。
顔に出さず、誰にも打ち明けることなく、これからもステージの上では「シウォン」でありながら、彼女を追い続けるんでしょうね…。
というかシウォン振るとか女マジ…。
〇イェソン
兄さんのストーリーも中々につらいと思っていまして。
ドアを開けたらそこにはまたドアが広がっています。このドアは先に述べたように、彼女と別れてしまった後の世界に繋がっています。
そんな世界へ、彼女との永遠を望んでいた兄さんは、彼女を探しに行こうとします。でも開けても開けても、そこから出られない。
それはまだ、彼女との別れをほんとの意味で受け入れられていないから、なのかな、と。
彼女を求めて探しに行こうとするも、彼女との別れにまだ半信半疑だった。だから、このドアの分だけ、受け入れることに時間がかかった兄さん。
でも、やっと、その痛みを受け入れ、外に出れた時には、もう日が落ちかけていた。
必死に、光を探しに走る兄さん。
でも無情にも、日は落ちてしまうんですね…。
あの時もう少し、早く動けていたら…。そう思わずにはいられません。
ううう、泣かないで兄さん……。
〇ウニョク
ウニョクも1度は外に出ようとしたんですよね。
でも、彼は引き返した。
ドアの向こうには光が差しているのに。未来が待っているのに。
それは、雨に濡れている間は、彼女のことを感じていられるから。
傷口は痛むけど、それが彼女が残していったものだから、それすらも愛しいのかもしれません。
だから、イトゥクと同じように1度は彼女との過去を燃やそうとしたものの、彼は戻ってきた。
外の、彼女のいない世界で生きるのでもなく、彼女を探すのではなく、彼は戻ってきてしまった。
それが自分でも浅はかで、バカなことをしていると分かっているからこそのこの表情だと思うんですけど、でも、それでも彼女を感じていたかったんですね。
その傷も全て耐えられると思ってた。でもなんでこんなに辛いんだろうって言ってるみたいで、ラップ詞を書いた?ウニョク氏も天才だな、と思うのでした。(ほんとみんな救われない)
〇終わりに
ということで、私が思う「One More Chance」ストーリーでした。
何がつらいって、ほんとみんな自ら傷を抉るからすごいつらい。
こんな風にしか生きられない不器用で馬鹿な男達…。
でもそれがすごく絵になるというか、その悲しみが美しさに変わるんですよね。
推しには幸せになって欲しいけど、悲しみや切なさを抱えたり乗り越えたりするほど人間って不思議と綺麗だったりするから、いやほんと、いいMVでした。改めてドンヘくんありがとう。そして、(自分含め)それぞれにこんな重い設定をありがとう。(あなたが一番Mかもしれないね)
私のこの読み方が合ってるとは思ってませんし、「いやここはこうだよ!」っていうのが各々皆さんあるかと思いますが、私はこう読んだ、ということで1つ、1つの解釈として受け取っていただけたら幸いです。
Super JuniorさんのMVってシンプルなものが多いですけど、こういう物語形式というか、深読みできる作品もたまにはいいですよね。オタク好きです。
最後に。
今もまだ、あの場所に彼らが佇んでるのかもしれないと思うと胸がはち切れそうです。
どうかこの世界線の彼らにも「幸せ」が降り注ぎますように。
幸せになってくれなきゃ泣いちゃうんだからね。